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【医師直伝】いい病院、悪い病院の見分け方

風邪をひいたらお医者さんに行きますね。
でも、最近の病院はとにかく多い!

駅前なんかはコンビニよりも多いんじゃないかと思うくらい新しいクリニックが日々オープンしていますよね。
飲食店であれば食べログの評価を見たり、食通の友人に聞いたりとなんとなく当たりのお店はずれのお店は分かりますが、病院ではそういうわけにはいきません。

勇気を出して新しい病院に行ってみたはいいものの、待ち時間は長いのに診察時間は超短いといったこともしばしば。。、

今日は、皆様がよりより診療をこれからもっと気軽に受けられるよう「いいクリニック・悪いクリニックの見分け方」の秘密を伝授いたしましょう。

今のかかりつけがある方も、そうでない方も参考になればうれしいです。

ホームページをチェック

まずは、最初の心得。

大きなクリニックはもちろんですが、最近は小さなクリニックであってもホームページがあることが少なくありません。
新しいクリニックならほとんどが開設されていることと思いますので、まずはそちらをチェックしてみてください。
最近はオンラインで予約の出来るクリニックも増えてきましたね。

このときのチェック項目は3つです。
順に説明していきます。

標傍科を見る

まずは、クリニックの”科”を見てみましょう。
クリニックが掲げている科のことを標傍科といいます。
内科とか眼科とかのことですね。

”地域名(駅名や住所、エリア)+○○科”といった形で検索されてクリニックを見つけることが多いと思いますが、ホームページを見てみるといくつか複数の科が合わせて掲げられていることがよくあります。

例えば、内科 外科 整形外科 リウマチ内科
といったように一つのクリニックで何個も掲げることが出来るのです。

また、医師免許の上では科が分かれていませんから、自分の専門外の科であっても自由に掲げることが出来るというのが法律でも決まっています。

しかし、あまりにも専門外の医師には見てもらいたくありませんね。
一番自信のある科は何科なのか、といった目線でもう一度よく見てみてください。

院長の経歴とも合わせてチェックしてみてみてください。

クリニックの規模に比べて標傍科が多すぎるクリニックというのは特に要注意です。

標傍科がはっきりしている

院長の経歴とマッチしている

標傍科が多すぎる

標傍科の方向性がバラバラ

医師の経歴を見る

次は医師の経歴を見てみましょう。
通常、ここが一番大事です。

多くのケースでは、
○○大学卒
○○病院勤務
アメリカ○○病院リサーチフェロー
○○大学元非常勤講師

などのような形式で略歴があり、

○○学会学会員
○○専門医
○○認定指導医

などといった形でその先生の経歴が書いてあります。
ここは長ければいいといったわけではありませんが、あまりに短い場合には要注意です。

また、先生の年齢に対してあまりに医学部卒業が遅いケースや経歴に大きな空白の時間がある場合には少し注意が必要です。
ただ、社会人経験後の医学部編入や産休・育休の取得も増えているのでこれらは問題ないことが多いでしょう。

留学経験について書いてある場合には、
研究留学であるのか臨床留学であるのか、といったことが個人的には気になりますが留学を実行に移す先生は真面目な先生であることが多いのでいずれにしても安心材料になるでしょう。

こういった医師の経歴を見る上で最も重要なのが、それらが特別なものであるのかどうか、という点です。
○○学会学会員というのはほとんが誰でもなれる肩書であるのに対して、○○大学非常勤講師や教授といった肩書は一部の優秀な人しか取得できません。

また、○○専門医というのが簡単に取得可能な資格であるのかどうかにも注意を払う必要があるでしょう。
最近はネットでそれを検索すればすぐに信用できる肩書なのか否かが分かるようになりましたので、併せて調べてみると良いでしょう。

この項目はとにかくクリニックの経営に直結する大事な項目であるので、誇張していることが少なくありません。
経歴や肩書をたくさん並べていれば良く見えてしまうのは仕方ありませんが、これに騙されないことがポイントです。

勤続年数も信用のポイントになることが多く、すべてには当てはまりませんが、大きな病院でしっかりと勤め上げた人は信頼できるといってよいでしょう。

肩書が少なすぎない

大学・勤務先・勤続年数などがしっかり表記されている

大きな病院で長く勤務している

取得の難しい肩書を持っている

肩書が少なすぎる

取得のしやすい肩書ばかり

勤務歴が短い・卒後比較的はやい

休診・代診を見る

最後は休診・代診を見てみましょう。
これはクリニックの先生がどれ程その病院に集中しているのかが分かります。

本気度といってもいいですね。
休診ばかりであったり、代診の日が多かったりすればそのクリニックは本命の病院でないという可能性も。

代診の先生をしっかり書いてあったり、大学病院から先生が派遣されるなどといった制度があったりと病院の体制がしっかりしている場合には大丈夫ですが、アルバイトの先生が頻繁に変わるがわる診察する病院なども少なくないので要注意です。

代診・休診が少ない

あってもしっかりした代診医が診察する制度がある

専門医が専門外来をやっている

代診・休診が多い

代診医について明記されていない

休診や代診の理由がはっきりしない

クリニックの外観を見る

次は、クリニックの外観を見ましょう。
掃除が行き届いているか、建物はきれいかといったことはまず基本ですね。

クリニックは一軒家なのか、それともビルの一角でやっているのかといったこともチェックが必要です。

これだけで良しあしは判断できませんが、一般に一軒家の方が開業資金が高く、しっかり資金管理が出来ているクリニックであることが多いです。

また、通常のビルにテナントとして入るよりも、医療ビルといってクリニックが集まっているビルに入る方が開業資金が高いことが多いため、こちらも信頼度は高まります。

しかし、すでに開業して軌道にのったクリニックの二号店三号店(分院)という形での開業も資金力が多いため、一概には言えません。

このあたりは院長の経歴、休診・代診も併せてチェックが必要です。

最後に、薬局が近隣にあるかどうかもあわせて確認しましょう。
大手の調剤薬局などがすぐそばに併設されていれば、便利なのは言うまでもないですが、院長先生の資金力や評判が高い可能性も多いです。

外観がきれいで清掃が行き届いている

アクセスがいい

長い間手直しをしていない

資金力で言えば、
一軒家≧医療ビル>一般の商業ビル
大手の調剤薬局がすぐそばにあれば、院長の評判が高い可能性も…

スタッフを見る

クリニックで一番関わるのは医者ではなく、受付や技師といったスタッフの方々がメインです。

そのため、スタッフの様子をまずは見ましょう。
チェックする項目は3つです。

人数

まずは人数をチェックしましょう。
適正な人数というのは素人目にはなかなか分かりませんが、明らかに少ないのは分かりますね。

こうした人件費を節約したクリニックは質が低いことが多いです。

また、医療従事者の目線からしても働きにくいクリニックであればなかなか人数が定着しません。
人数が多ければよい、というわけでもありませんが少なすぎるよりは信頼できますね。

忙しさ

これは上の人数とも関連しますが、スタッフがやたらと忙しくしている病院は質が低いケースが多いです。
忙しさ、というより慌ただしさといった方が適切でしょうか。

有能な人材が一人でもいれば、クリニックのあわただしさは大きく解消されます。

患者からみて”いいクリニック”が医療従事者にとっても”いいクリニック”とは限りませんが、その逆はほとんどのケースで成り立ちます。

つまり、医療従事者として(楽とかただ給料が高いという意味ではなくて)居心地のいいクリニックというのは患者様からみても満足度の高い”いいクリニック”であることが多いのです。

そのため、優秀な人材がとどまるクリニックであるかどうかを判断するのがこの評価項目になりますね。

対応

最後は、スタッフひとりひとりの対応です。
これは当たりまえですね。

医療もサービスの一つです。
せっかく行くのであればより良いサービスを受けられた方が満足度も高いですね。

また、スタッフの対応がいいクリニックというのは人材教育に力をいれている病院であるともいえます。
すなわち、提供するサービスの価値を上げるために努力を惜しまない病院であるという言い方もできるため信頼が出来ると考えられます。

人数が十分で、慌ただしくない

スタッフ一人ひとりの対応が良い

診察室を見る

次は診察室をチェックしましょう。
清掃が行き届いているか、ゴミはきっちり分別されているかを見ましょう。

前の人がつかった舌圧子(舌に押し当てる木の棒、先生が「あーっといってください」というときのあれです)のゴミは散乱していないか、ベッドやシーツは整頓されているかといったところを注意してみましょう。

また、カルテは紙なのか電子カルテなのかといったこともクリニックによって違いがあります。
先生の考え方によっても様々なので一概には言えませんが、電子カルテにはすぐに情報を共有できるというメリットがあり、紙カルテには丁寧な診察イメージを与えるといったメリットがあります。

先生が使用するデスクもチェックしてみるとよいでしょう。
本が多く、しっかりと勉強している先生は診察スキルも高いのは言うまでもないですね。
対して、辞書的な本があるのみで診察の合間に調べながらやっつけで診察しているドクターもなかにはいます。

また、本当は来院前にホームページでチェックできればよいところですが、クリニックの設備についてもここでチェックしましょう。
採血は出来るのか
レントゲンの機械はあるか
どれほどの処置ができるか

医療従事者でないとここは難しいところですが、スタッフや医師に聞いてみるなど医療資源についても把握しておくことが望ましいでしょう。

このあたりに注意をしながら、診察室のなかまでチェックしてみてください。

医師の診察をチェック

最後に、医師の診察をチェックしましょう。
スタッフを見るときのチェック項目を参考にしながら、その医師が適切に良いサービスを提供してくれるかどうかを判断しましょう。

いい医者、悪い医者の見分け方というのもいずれ記事にしようと思いますが、ここでは診察でみるべきポイントを紹介します。

身体所見をしっかりとる

身体所見というのは、
目で見て、音を聞いて手で実際に触ってという診察のことです。

これは医師としては基本ですが、忙しいとなかなかすべてはできません。
しかし、最低限でもしっかりと身体所見をとる先生とそうでない先生は診察の質に大きな差が生じます。

風邪のときにも首のリンパまでしっかり触る
おなかの音もしっかり聴診する
足のむくみもチェックする

病気にもよりますが、こういった基本事項も限られた診察時間内でしっかりやる医師は信頼度が高いです。

しっかりと根拠を述べる

これはしっかり勉強している先生かどうかを判断できます。

EBM(=Evidence based medicine)といって”科学的な根拠に基づく医療をする”というのが現在の医療の常識ですが、一人ひとりの疑問にしっかりと根拠をもって答えられる医師はそうおおくはないでしょう。

〇人に1人の割合で副作用が起こるでしょう、とか診断基準を〇個満たすのでこの疾患でしょうと言えば分かりやすいだけでなく信用できますね。
最近の論文での知見を交えながら説明できる医師というのも信頼におけるでしょう。

また、説明が理路整然としていて分かりやすい医師というのもいい医師といえますね。
医学のスキルだけでなく、分かりやすく説明する技術も研鑽している医師は信頼してよいと考えられますね。

他の医療機関に紹介状を書く

さいごに、自分が出来ないことを分かっている医師というのは良い医師です。

診察する中で自分の専門外であったり、自分の病院の設備では対応できない病気であったりすることは少なくありません。

こうしたときに自分の利益のみを考えるのではなくて、適切なタイミングで適切な医療機関に紹介できる医師は優れた医師といえるでしょう。

また、患者からのセカンドオピニオンの要望があったときにも、快く診療情報を提供できる医師もよい医師といえます。

自分の診察に自信があって、患者のニーズを大切にする医師であると考えられるからです。

しっかり身体所見をとる

根拠に基づいた説明をする

きちんと紹介状を書く

以上、良いクリニック・悪いクリニックの見分け方でした。
皆さんがよいクリニックに出会って、よりよい診察を受けられることを願っています。

ABOUT ME
そう先生
慶應義塾大学卒の都内勤務医。医療情報を一般の人にもわかりやすく、そして「とにかく健康に生きる」をモットーに日々情報を発信していきます。フリーのライターをしながら教育ベンチャーのお手伝いなんかもしています。